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認知症の母への、ちょっと効果的だった言葉掛け

こんにちは。介護というほど大げさなことはしていませんが、それなりに悩みもあるトミマルです。 

母は認知症で介護ランク2です。認知症になってから無口になってしまったのと、話すのが億劫なゆえの無口が重なって超無口です。耳はいいので聞こえているはずですが、私がいろんな言葉かけをしても反応がないことが多いです。

無口と無反応(しらんぷり)で悩む

返事や声掛けに対する行動がなかったりするので、聞こえているのか・言葉を理解しているのか・理解しているが面倒なのでしたくないのか・したくてもできないのか…が分かりにくいのです。

でも、たぶん大体のことは理解しているように思います。なぜなら 母は私が優しい言葉でうながしたときは、知らんぷりして言うこと聞いてくれないのですが、キツめの言葉だと言うとおりにしてくれるから。でも、キツい言葉なんて使いたくない。優しく一度言っただけで言う通りにしてほしい。

 

最近の一番の悩みは朝の支度です。母にデイサービスに行く支度をしてもらいながら私も自分の出勤準備をする時間です。毎朝、母を起こしてから【着替え→食事→洗顔と歯磨き】という一連の流れがスムーズに進まずイライラ。 

母がなかなか着替えてくれなかったりするとエネルギー消耗した状態で仕事に向かうハメに。こんな状況をなんとか解決する方法はないかと日々考えていました。 

もっと大変な介護をしている人からみたら、鼻で笑ってしまう程度の悩みだと思いますが、ストレスなく上手に暮らしたい私にとっては切実な悩みなのです。

 

母と私の行動は毎朝こんな感じ。

母が起きてきてトイレで用を足したあと、

私「お母さん、ズボンとオムツを脱いでくださいね」(※オムツはおしっこでパンパンなので)

母「・・・」無言のまま、ご飯を食べにテーブルへ行こうとする

私「お母さん、ズボンとオムツ脱いでね」

母「・・・」着替えるのが面倒なので無視してるっぽい

私「お母さん、ズボン脱いでって!着替えるから!」

母「うん。うん」うなずくが着替える様子なし

ーー何度か同じようなことを繰り返したあとーーー

私「私、仕事に行くから早く着替えてください!!!」

母「・・・」ゆっくりと着替え始める

 

こんな調子です。色々言わなくても、私が母の服をさっさと脱がせたらいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、基本的に母ができる動作に関しては、母自身にしてもらいたいのです。

母にぴったりの声掛けが見つかった

 

 

そんなある日、なんとなくいつもと違う声掛けをしてみたのです。

私「お母さん、ズボンとオムツを脱いでくださいね」

母「・・・」無言のまま、ご飯を食べにテーブルへ行こうとする

私「お母さん、ズボンとオムツ脱いでね」

母「・・・」着替えるのが面倒なので無視してるっぽい←ここまではいつもと一緒

私「着かえないでデイサービスにいくつもり?」

母「うん」

私「え~っ!!パジャマのまま行ったらおかしいよ。着替えますよね?」

母「・・・うん」自分で着替え始める

 

え?なんだか今、とってもスムーズだったよ!と自分でもびっくりな流れ。このパターンがいいってこと?と確信がもてないまま、今度は洗顔と歯磨き。

まずはいつもの通りの声掛けをしてみる。 

私「お母さん、顔洗ってくださいね」

母「・・・」コップでうがいをする←洗顔がイヤなので別のことをしてるっぽい

私「お母さん、顔ですよ、顔」

母「・・・」再びコップでうがい

ここで先程スムーズにいった声掛けをしてみる。

私「お母さん、顔を洗わないで行くの?」

母「うん」

私「え~っ。みんなと会うのに顔を洗わないの?それは恥ずかしいでしょ。顔を洗って行くでしょ?」

母「うん」洗顔を始める

 

おぉ!まさかこれは勝利の方程式なのでは!次に歯磨きの場面に応用してみると

私「お母さん、歯を磨かないで行くの?」

母「うん」

私「え~っ。みんなとおしゃべりするのに、歯を磨かないんですか?それは汚いですよ。歯を磨いて行くでしょ?」

母「うん」歯磨きを始める

 

「面倒だからしたくない」と思っている状況から、この声掛けによって「何のために、それをするのか」が想像でき「しなければならない」と感じ、行動に移せるようです。

 

行動する理由を伝えるというのは、考えてみればもっともなことなのだけど、言わなくても常識だからわかるはず、説明する手間を省きたいという思いから、行動の理由を言ってなかったんですよね。反省です。

  

デイサービスの職員さんたちは、本当に細かいことまで声掛け、説明しているのに気が付きます。声掛けって大変だなぁと思っていましたが、それによって意思の疎通ができてスムーズに事が運び、さらには信頼関係にまで発展していくのだろうと思います。

 

私の声掛けは(驚愕で批判+うながし)で、職員さんのもの(安心の声掛け+うながし)と、だいぶタイプが違いますが、母の性格には合っていたのかも。ひとまず上手く行っているのでこの方法でしばらく様子を見たいと思います。